地震前後の映像を自動保存、被災状況をすばやく把握
防災科学技術研究所実施のE-ディフェンス実験において「地震計連動ネットワークカメラシステム」をIMV株式会社と共同実証

2026年 91

会社

TOA株式会社(本社:神戸市、代表取締役社長:谷口方啓、以下「TOA」)は、振動試験装置・振動計メーカーであるIMV株式会社(本社:大阪市西淀川区、代表取締役社長:小嶋淳平、以下「IMV」)と共同で、地震発生時の揺れを検知し、被災前後の映像を自動記録・共有する「地震計連動ネットワークカメラシステム」の実証実験を行い、その有効性を確認しました。

本実証実験は、国立研究開発法人防災科学技術研究所(以下、「防災科研」)が主宰する「室内空間を中心とした機能維持のための研究会」において、同研究所が保有する実大三次元震動破壊実験施設「E-Defense」での「室内空間・機能を対象とした地震災害軽減および被害判定のためのE-ディフェンス実験」の機会を活用し、合わせて実施したものです。IMVの地震監視装置と、TOAのネットワークカメラシステム「TRIFORA」を連携させることで、発災直後の被災状況を遠隔から正確に把握し、企業やインフラ施設における初動対応の迅速化や二次災害リスク低減への活用を見込んでいます。

写真1.撮影画像イメージ(加振実験時にTRIFORAで撮影)

背景

大規模地震への備えや企業のBCP強化が求められる中、災害発生直後の状況把握を、現地確認に依存せず、遠隔から迅速に把握する仕組みの重要性が高まっています。そのなかで、地震発生時においては、被災状況を正確かつ迅速に把握することが、初動対応や復旧の判断に重要な要素となります。一方で、従来は地震計の数値データと、現地映像・目視確認が別々に行われており事後の切り出しや編集作業が必要となるため、状況把握に時間を要するなどの課題がありました。 TOAとIMV両社はそれぞれの技術を融合し、地震時の状況把握を迅速化、高度化する新たな仕組みの構築に取り組んできました。

実証実験の概要

本実証実験は、防災科研が進める「室内空間を中心とした機能維持のための研究会」に関連する振動台実験の一環として、実大三次元震動破壊実験施設「E-Defense」で実施したものです。ここで、実物大の建物構造体に実際の地震動を与え、現実に近い条件下で挙動を再現しました。

構造体には、IMV製の地震監視装置「S-QUBE(SW-9033)」および、TOA製ネットワークカメラシステム「TRIFORA」を設置し、双方を連携させた機能の有効性を検証しました。阪神・淡路大震災で観測された地震波や、首都直下地震を想定した地震波を用いて構造体を振動させ、以下の機能を検証しました。

・長周期地震動を含む地震発生時の揺れをリアルタイムに検知
・揺れ始める前を含む地震発生時の録画映像を出力

これにより、地震計がしきい値を超える揺れを検知した際に、揺れ始める前から地震発生時にかけての録画映像をネットワークカメラ「TRIFORA」からIMV製の装置へ出力できることを確認しました。これにより、事後の切り出しや編集作業を必要とせず、発災直後の即時対応に貢献できることが実証されています。

                                                        写真2. ネットワークカメラTRIFORA 
                                                              写真3. 地震監視装置S-QUBE

想定される活用シーン

本システムは、以下のような用途での活用が期待されます。

・製造業における生産ラインや設備の被災状況の即時確認
・企業の複数拠点や海外拠点の遠隔からの状況把握(BCP対策)
・公共・インフラ施設における安全確認や室内状況の把握

これにより、遠隔地から現地へ人員を派遣する前に状況を正確に把握でき、初動対応の優先順位付けや迅速化、二次災害リスクの低減に貢献します。

本実証の位置づけ

本実証は、2026年7月28日に発表した「振動・音響・映像技術を活用した連携強化」の一環であり、「防災分野におけるセンシングと可視化技術の連携」を具体化する取り組みとして位置づけられます。
関連ニュース:https://www.toa-global.com/ja/news/corporate/202607/260728 

本実証の取り組みは、災害時における室内被害の可視化や、事後の検証・分析の高度化に資する技術として期待されています。TOAおよびIMVは、本実証で得られた成果をもとに、製造現場や公共インフラ、医療機関などを対象に実運用環境での検証を進め、本システムの実用化に向けた具体化を図ります。

お問い合わせ先

TOA株式会社 広報室 玉井、朝田
TEL:078-303-5631(直通)
Mail:[email protected]